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おかしいよ福島第一原発の処理 [社会]

やはり、ブログ更新は体調的に無理のようなので、今後は体調のよい時に短く、としたい。

さて、これも書きかけのもの、引っ張り出してきてアップしたのだが、尻切れトンボ感があっても悪しからず。

以前のブログで設計思想とか設計審査という事について触れたが、福島原発のメルトダウンした燃料棒の取り出し方法についての報道があった。

しかし、一技術者として言えば、本当によくまあ、こんなもので原子力関係の学者や技術者はかつて原発建設反対派を何も知らない素人、として嘲笑していたものだと思うのだが、これこそその原子力関連技術者達が失笑ものだ。

何が、という事なのだが、まず、一般に出回っている製品について。

全てという事ではないし、やっていないところの方が多い、そう思っていただきたい。しかし、やっているところもあるし、民間企業が、それも製品の故障が顧客や地域の住民の生命財産を無くす、という事に繋がらないような製品でさえ、行っている事を考えれば、日本だけではなく世界中の原発はやっていない、そういう事なのだが。

もっとも、その恐さを知っても、それが現実問題として存在するなどと言えば、原発など作れないから、知らぬ顔の半兵衛を決め込んできたという側面もある。とは言え、原発建設を巡って推進派と反対派が侃々諤々でテレビ討論等を利用してやり合っていた時の日本の原発推進派の態度を考えた時、決して知らぬ顔の半兵衛などと言うものではなかった。つまり、そこまででさえも至っていなかった、そういうのが正しい表現であるかと思う。

設計審査のところで設計部門だけでなく営業や調達、品質部門まで製品に関わる色々な部門が製品を世の中に出すにあたり、当該設計で本当によいのか審査する、そういう事を以前のブログで書いたと思う。

これは製品を作る過程で仕様に合わなかったものやあるいは顧客に渡ってから故障などで返却されて修理後顧客に返送する等、トラブル時についてしっかりシミュレーションすることが設計審査においては大きな要素となっている。

もちろん、製造途上での不良や出荷後の故障などない方がよいので、品質第一なのだが、ゼロディフェクトが容易に実現できない場合もある。そういう時にはトラブル時の対応が重要なのだ。

ところが先日報道された福島原発についての内容は、メルトダウンした燃料棒の取り出し方法について、三つの方法が考えられるとして書かれていたが、もう試したと見えて、その続報で取り出しを行う操作端のロボットが動かなくなったと報道があった。

この事は原発建設以前に、故障時にどうするか、そういうシミュレーション、つまり設計審査をやっていなかったか、全く機能していなかった、そういう事になる。

既に麻痺現象が始まってしまったようだが、燃料棒のメルトダウンというのは実は大変なことであり、それを映画化したものがチャイナシンドロームという、まあ、映画だから実際にはあり得ないアメリカの裏側が中国のような描き方で、メルトダウンした核燃料が地球の裏側に達するような、人間がコントロールできない恐ろしい事態を描いたのだが、しかし、そういう恐怖を駆り立てる要素のあるものであったことは、福島第一原発の冷却電源喪失時のテレビ中継の逼迫した報道で皆さんもご存知だと思う。

ああいう報道をされていて、原発推進技術者や電力関係者を除いて一般国民の誰一人、原発が故障時にもしっかりコントロールされたものだとは思わなかったと思う。

ロボット大国の日本にして原発内で使えるロボットなど持ち合わせていなかったのだが、その理由も、電力会社にロボットメーカーが売り込みに行っても、「原発のどこが故障するのか、ロボットがどこで必要になるというのか、故障しない原発のどこにロボットが必要になるのか?」そのように例えば東電などはせせら笑ったという。

ではメルトダウンした燃料棒の回収作業はどのようにしようとしていたのだろうか。

今、既設の原発の再稼動申請と一部では原子力規制委員会のお墨付きが与えられたものもあるが、はて、メルトダウンした燃料棒の回収や無毒化処理方法さえ確立されていないのに、どこに安全を担保できたなどと保証できるものがあるのだろうか、同じ技術分野にいたものとして、こういう稚拙な連中が規制委員会などと国民の安全安心に関わるのは恐くて仕方がない。

原発立地について活断層との関係を捉えて、活断層が通っていないから再稼動OKだとか、駄目だとかいう議論なども東電が勝手に、シミュレーションで出た津波の高さを「こんな数値の津波など来ない」などと根拠無しに勝手に決めつけた東電担当者達の事、忘れまじ、というところか。

火山学者が規制委員会や規制委員会の判断を持ち出して再稼動にゴーサインを与えた裁判所の判断を批判したが、これは然り。火山列島の日本は昭和新山の例を挙げるまでもなく、いつ、どこに火山ができてもおかしくない。現に今でも小笠原諸島に海底火山により新しい陸地ができているが、これが陸地にできない保障はないし、日本には阿蘇山の頭頂部が吹っ飛んだという話もある。

それらの話が荒唐無稽と批判するよりも設計審査のイロハさえもできていない連中が設計する原発、恐くはないのか?

恐くないと言うなら、地産地消で、それこそ一番電気を使う大都会に、それも行政府エリア内に作るべきだと思うのだが。
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ojioji

>東電が勝手に、シミュレーションで出た津波の高さを「こんな数値の津波など来ない」などと根拠無しに勝手に決めつけた東電担当者達

>地産地消で、それこそ一番電気を使う大都会に、それも行政府エリア内に作るべきだ

全く同感です。
黒部の太陽を昨日、見て、産業界・大都市の都合・要請だった黒四ダムですら、つくらなきゃあよかったのにと改めて思っている私には、原発など言わずもがな。電力の不足による不便さと引き換えでの全く迷う余地なく不要。その程度の不便、全く問題なしと思うのですが、わが国では少数派みたいです。みんな極楽とんぼというか、無い物ねだりのアイス買うてと店の前で転げる子どものような生き方を選んでいるのでしょう。笑けます。とぼくはつい大衆批判に向いてしまいます。
本日の記事、全面的に賛成です。よくぞ書いてくださいました(^_^)
by ojioji (2015-05-04 09:07) 

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