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不祥事に名を連ねた東レという会社 [所感]

日本のメーカーの信用度が日に日に落ちていくのではないかという、メーカーの製品出荷に関しての不正が発覚している。

東レという会社、そんなに悪い会社だったのだろうか?

かつてバブルに踊った日本。実体経済ではなくマネーゲームに踊り、日本の金でアメリカが買える、そのように言われるほど金が巷にあふれていた。いや、庶民のところではなく、マネーゲームに踊った金融機関や他の企業にも。

他の企業とは何ぞや?

庶民から土地を買い上げて、その土地にでっかいビルを建てて、高額で売り買いあるいは貸して、多額の利益を上げる、そしてそのプロセスに絡めばどんな企業も本業よりも多額の利益が出る、そういう世の中の流れの中で、財テクをしない手はない、そのように多くの企業が、そのプロセスに関与し、その担い手である企業の中の財務部門がもてはやされ、メーカーも本業の製品への注力よりも財テクに注力、財テク部門が出世の近道のようになっていた。

こういう時代に地道に努力をしていた企業があった。いや、この会社だけではなく、他にも同様の企業はあったのだと思うが、マスコミに大きく取り上げられた企業という意味で、名を挙げられたのが、東レ。

わが社はメーカーなので、本業で利益を上げるのが本筋であり、財テクはしません、という趣旨の事を当時の東レの社長はマスコミの取材に対して述べている。立派である。

さて、それから時代が下って、名門企業として経団連の中でも主要な地位を占めた東レが、今、その経団連会長としてトップを張っている。

屑である。

今の経団連トップを張っている人物が東レの社長、会長という時代に、東レの系列企業の不祥事が行われている。

この人物、安倍晋三の武器輸出三原則いや、言い換えよう、武器禁輸という縛りを大きく緩める政策に真っ先にもろ手を挙げて賛成と、表明した人物であり、こいつにして今回の事(いずれおかしなことが表面化するのではないかという事)、ありなん、そう思わせた人物である。

長く他国の人命も自国の人命も戦争で失わせていない平和国家、そのように世界に誇っていた国が、人命を損なう武器を輸出して金を稼ぐ? 恥ずかしい事ではないのか。

多くの日本人は武士階級に属してはいなかったはずなのに、何かと、武士を標榜する、最近のスポーツでの日本代表チームへの冠のつけ方を考えれば、日本すなわち平和国家、という印象は日本人にとってはとても大事なものなのではないだろうか。

世界が平和であってこそ、日本がその平和と繁栄に貢献する製品で、日本自体も繁栄の道を探る、それが戦後の日本の一貫した姿勢であったはずなのだ。

それを経済面で支えるべき経済団体のトップが、人命を損なう事の対価として金を稼ぐという政策にもろ手を挙げて賛成する、こんな見識のない人物が経団連のトップでは、やはり日本の企業トップがいかにレベルが低いか、見識の高い人物がいないか、分かろうものである。

末端のやった事にまでトップは責任を負えない、そういう見方もあるし、それを良しとすることを否定はしない。しかし、トップが変わった途端に社内の空気、雰囲気がガラリと変わる、というのも事実である。

メーカーの責任を感じないトップの下では、一気に落ちてはいかなくても、名門という名に恥じなかった企業でさえも、最終的には不祥事の起こる体質に変わってしまうのだ。

自動車会社として世界一の売り上げを誇るトヨタでさえ、小泉改革に賛同していたトップの元、大衆車で儲けなくてもいい、アメリカで価格の高い車が売れればいいんだ、と当時のトップが、嘯いたその結果が、企業体質を落とし、今の社長の着任時に涙を流しての謝罪会見につながるような、そういう事になっている。そういう事、対岸の火事と、多くの企業は看過しているのだろうか。

しかし、私の身近にも不正は蔓延していたし、それを正すべく行動する人間は私の周囲にはいなかった。
私?
以前からこのブログで言っているように、正義の人ですよ。はっきり言ってその正義に心情的には賛同する、そう言ってくれた人物がいなかったわけではないけれども、行動を共にした人物はいませんでしたねえ。それが日本社会、そう思ってます。
企業の中では頭の悪い奴、悪い奴、ずるい奴ほど上に行きましたねえ。
ソネブロで企業の不正を告発している人たちの気持ち、よくわかります。事なかれでは、世の中、よくはならないんですけど、であるのに、政治が悪い? 行動を起こしましょうよ。

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