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頭の悪い奴が憲法改正などとは言わない事 [政治]

憲法記念日という事もあって、憲法改正の動きやそれに言及する首相以下の閣僚等のインタビューがテレビで流されていたが、改めて。

ブログなので詳細に記述できず、かなり端折るが、ここに書くこと、改めて、真剣に読んでほしい。

安倍晋三が憲法改正について祖父や父親の悲願であり、2020年という期限を切っての実現を目指すという趣旨の内容を述べていた。

しかし、この発想、おかしくないだろうか。クローンでもあるまいし、岸信介や安倍晋太郎が何故、憲法改正を唱えていたのか、あるいはその内容が今に通じるのか、そういうこと等、全く言及せずに自身の祖父や父親の名前を言う事は、国政を私物化している以外の何物でもない。

安倍晋太郎については首相になっていないので彼の憲法改正に関しての持論を知らないが、岸信介については、安倍本人が言うほどお世辞にも立派だとは思えない。確かに戦後政治の中に出てきているし、首相まで務めた、そういう事だろうが、戦後の大事な時期に民主主義を根付かせなかった自民党の一員、そういう位置づけでしかない。

結局、岸信介も他の自民党国会議員も国民主権どころか、国民など馬鹿だから、大事な情報は国民に流すな、そのための国会議員であり政治なのだ、とまあ戦前の体質をそのまま引きずった人間に過ぎない。

少し前のブログで民進党現幹事長を、厚顔無恥で国民の事を理解できていない人物という趣旨の内容で批判したが、岸信介も同様である。

三百万余の死者を出した第二次大戦へと日本を導いた内閣の一員。当時商工大臣として宣戦布告書に名を連ねた責任を感じたならば、ふつう、表に出ようとは思わない、それが人間ではないだろうかと思う。

よしんば百歩譲ったとして、もうあのような悲惨な状況に日本国民を陥らせてはならない、そのように国家のため、国民のため、そういう評価を受けた政治活動であったならば、戦勝国による裁判の結果、そのように戦犯の汚名を国民は日本人として心の中から消し去る、そういう事であったかもしれない。

しかし、国を割るような安保騒動を引き起こして大勢の若者を喪失感に陥らせたり、あるいはあちこちの公害とか社会のすべての悪の根源が日本国憲法に依存するという(今回の憲法記念日にも当時の岸信介のこの談話がテレビで流されていましたね)おおよそ、戦後政治を担った政治家としては、とても考えられない事なのだ。

考えてもわかる話で、近年二度ほど非自民党政権が発足したが、それ以外は戦後の混乱期を除いて戦後からほぼ一貫して自民党政権が続いている。その自分たちの行政責任を無視しての、社会のおかしなことが日本国憲法にある、そう岸信介は言っているのだ。

平和憲法と言われる今の日本国憲法があってさえ、世界的に見ても通常戦力で言えば世界屈指の戦力を持っている日本。とても平和憲法による為政の結果とは思えないのだが、憲法があってさえ、こういうことを自民党政治は行ってきたのだ。

いや、戦力を持つななどと言うのではない。法や行政に縛りがあってさえ、自民党政治は強引に自分たちの思う方に日本社会をもってきている。これに歯止めがなかったら、本当はもっととんでもない事になっていたのではないだろうか。

ポチである日本がご主人様の決めた憲法などちゃんちゃらおかしくて守ってられるか、というのを心の中だけにとどめられずに表に出す、そういう事だろうか。
しかし、当時でさえも日本がポチではなかったし、まして憲法にはアメリカによる指針などという事が入らずに、日本人の法学者たちが草案に携わって作られた、その事が近年より明らかになっているのに、何故、押し付けられた憲法などと、同盟国の親日家が聞いたら気を悪くするようなことを平気で政権政党の幹部が言うのか不思議でしょうがない。

岸信介に話を戻せば、第二次大戦に至った戦前の政治や社会の仕組みの検証あるいは何故、止まらなかったのか止められなかったのか、さらには開戦はしても、戦争を早期に終結させるシステムが何故なかったのか等軍人とはいえ徴兵による多くの国民を犠牲にした、そういうシステムの総括と再発させないシステムの構築を図らなければならないのに、岸信介はやっていない。

日本が何故、第二次大戦の総括をしていないかと言えば、戦後政治を担ってきたのが自民党であり、その自民党にとってあるいは政権に入った幹部の国会議員にとって第二次大戦の総括は自らに唾するもの、そういう事になるからだろう。

戦後も国会議員として活動する動機が、勇気と、国民の事を第一に考えて、反省の上でなっているならば、傲岸な政治は行われていなかったと思う。民主主義の醸成に力を尽くすどころか利権構造を作り続けた国会議員たちの末裔が今も権力を握っている事考えれば、とても彼らに改憲のイニシアチブなど取ってほしくはない、そう思うのではないだろうか。

だいたい、戦争の総括もしないで、日本国憲法の批判などするな、そういうところだが、憲法以前に戦前から持ち越された行政の組織、例えば旧内務省など相も変わらず国民を下に見る組織等の解体の方が急務だと思うのだが、何を急いで憲法改正などとやるのか。だからこそ、法や役人に縛りを入れないで国民に縛りを入れようとする法案が自民党政権下でてんこ盛りなのだ。

戦後の総括で思い出したが、戦勝国の裁判でなくとも日本を戦争に導いた宣戦布告書にサインした面々への日本国としての裁判は終わっていない。そういうことを知れば、岸信介の名など恥ずかしくて出せないだろうに、やっぱり政治家が厚顔無恥はこういうことを見てもわかるというもの。
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