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昔の時代劇、大岡越前 [所感]

今、BSのNHKで昔、TBSでやっていた大岡越前をやっている。
歳を取ると単純明快、勧善懲悪なものが好みになるのか、あるいは昔気質だからか、我が母も相棒を始めとする推理ものと同様に時代劇を見たがるので、私も一緒にと言うかむしろ私の方が積極的な感じで見るようになっている。

主役を演じている加藤剛の人柄か、演じられているエピソードは実際のものではなく、色々なものの寄せ集めだと言われているにもかかわらず、つい、入れ込んで見てしまう。

刑事訴訟を研究しているという弁護士が昔は犯罪が多かった、そのように言ったが、とんでもない。
人口比や、隣組あるいは定刻に、木戸を閉めたり木戸番がいるなど昔の方が犯罪抑止のシステムが社会状況から見ると相対的に発達していて、犯罪件数は少ない。

それにあまり知られていないことだが、奉行所同心など帯刀していても、いざという場合に、刃を立てないように刀を土の中に入れて不要な刃傷沙汰を避けていたという、それだけ命を大切にしていたという話も聞く。

町奉行が白洲で罪人に対して死罪申し渡しをする事、つまり、死罪裁決は将軍の裁可を仰ぐ重大事項であった、この事からも今のように死刑判決が多ければ将軍は他の職務を遂行する時間が取られて時間がなくなるはずで、その意味からも昔の方が凶悪犯罪は少なかった筈である。

また、大岡越前など昔のテレビドラマ制作で調べた話の記憶では封建時代にもかかわらず、余計な罪作りをしない、つまり必要以上に罪人を生むようなことはしなかった、そういう事らしい。もちろん、大岡越前や遠山の金さんがずっと奉行をしていたわけではないので、不心得な役人による石抱きなどの拷問なども存在したであろうし今よりも冤罪が多かっただろう事は否めないと思う。

しかし、だからこそ、今よりも奉行の人間性というものが際立った可能性も否定できず、したがって細かい事を取り上げての罪人を生むようなことは事はなかったであろう、私はそう思っている。

封建時代でさえそうなのに、民主主義を学んで、民主主義の世の中に生きているはずの私たちの周囲は果たしてそういう封建時代の人達よりも進んだ考え、システムを構築しているだろうか。

先日、菅直人元首相の首相時の福島原発事故対応を巡る告発を受けて、検察が菅氏から事情聴取をしようとして、その代わりの当時の事情を書いた説明書が提出されたという話が出ていた。

私は菅氏に関してはまあ、あれだけ馬鹿とは思わなかったと、このブログでも書いた口である。
しかし、この告発と、それを受けた検察の動きは解せない。

元々、菅氏自身が草の根の市民運動家出身であって、かつては原発反対派として原発賛成派の原子力村とは対峙していた人物であり、もし検察が動くならば、当該原発の爆発に繋がったとするベントの話ではなく、水素爆発自体が建屋の問題であるとか、ベントは圧力系での爆発を防ぐものであり、今回原発で圧力容器だとか格納容器が爆発したという話は少し違う。

吹っ飛んだのは原発のコンクリート建屋であり、建屋内に水素ガスが爆発基準まで溜まって引火した結果、建屋として水素爆発が起こったのであり、圧力容器や格納容器の損傷は燃料棒の冷却不足による暴走の結果、熱溶解等あるいはせいぜいが建屋の水素爆発によるダメージによるものであり、これらは一ベント作業だけの話ではなく原発の構造的問題が絡むものである。

検察にそういう事がわかる頭脳の持ち主がいるのか?
わからないのに、告発を受けて、どうしようというのか。

大岡越前の話を冒頭に書いたが、人間の劣化が進んでいるのに、特権を持ったつもりの役人達の特権意識だけは進んで、不要な作業をしている。この間、掛かった経費は誰が支払うのか。携わった検察官達が身銭を切るというなら別だが、たまにはそういうことをしてみたらどうか?

そうすれば、仕事の本当の重みがわかるだろう。
いずれにしろ、訳のわからん市民グループが告発したという事になっているが、告発するなら原子力村の住民や、行政として推進してきた役人達ではないのか。

同僚の官僚には手を出さず、国民から選ばれた首相や閣僚には圧力を掛ける、そういう組織のどこに公僕の精神があるのだろうか。
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