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ゴルバチョフ [国際]

視点が違うのかもしれないが、意外と評価されていない政治家にゴルバチョフがいる。いや、ロシア内部と海外で評価が分かれていると言ったほうがいいのだろうか。

日本のジャーナリストの組織などゴルバチョフを呼んで講演会を開いたりしていることなど見ると、日本は評価している方なのだろうと思う。

欧州諸国も一定の評価をしているように見える。特にソ連が現実的脅威であったドイツは、ゴルバチョフを歴史を変えた政治家として最大級の賛辞で迎える国だと思う。

その一方でロシア国内では、不評というか人気のない政治家というのが、私には、それが逆にロシアという国の民意の低さ、そう映ってならない。

ソ連が崩壊して、ロシアになってから相当時間経っているというのに、ある時、サンクトペテルブルクのアパートの一室で私よりも年長の芸術家と話をしたことがあった。こちらはロシア語がわからない、相手は片言の英語程度。

旧ソ連の政治家としてはレーニンが西側では評価されているが、そのレーニンについて、質問したときに、彼は、話をする前に部屋の中を見回してから、顔を近づけ、声を潜めて、手鼻をかむ仕草で話をする気にもなれない、という事をジェスチャー混じりに言った。

芸術家なので日本の棟方志功の事はよく知っていて、絶賛したが、えらい対照的であった。多分に、レーニンはそれ以降のソ連の恐怖政治の創始者であるという事での嫌われ者の象徴というものではないかと思う。

農奴等、封建時代の階級社会からの解放で一見、平等な世の中が実現したかに見えた旧ソ連だが、その立役者であるレーニンが嫌われ者ということは、名目と実質のギャップが大きかったことと、監視社会の厳しさがそれだけ熾烈だった表れではないか、そう思うのだが。

であるならゴルバチョフはそういう恐怖政治から人民を解放した画期的政治家として人気が高くあってしかるべき、そう思うのだが、しかし、ゴルバチョフはソ連崩壊によってソ連の権威をなくし、対米という意味で国力を下げた国賊、売国奴、そういう評価のようだ。

実はゴルバチョフは、既にアメリカに対抗できる国力をなくしていたソ連を現実的な政治体制に変えるべく行動しただけであってソ連の国力を落としたわけではないのだが、その後のクーデター騒ぎもあってロシア国内では不人気が定着してしまった。

同じように共産党が政権を持っている中国と見比べたらどうだろうか?
中国も紅衛兵で名を馳せた文化大革命なる大きなうねりが共産党の中にあったが、結果として、共産党政権内の保守派が力を失う形になったように見える。

では、保守派がそのまま力を失ったかというと、天安門事件のように、今度は保守派が巻き返す形で改革・解放派と見られる当時の国家主席が失脚したり、揺れ動いていることは確かである。しかし、中国は人民ではなく共産党が全てに優先する、そういう憲法になっており、いつの間にか、人民の党でもなく人民の国家でもない、おかしな国になっている。

今や、世界第二の経済大国と自信を見せる中国だが、曲がりなりにも一党独裁という箍の外れたロシアと一党独裁という箍の中で経済成長による大量消費を謳歌し始めた中国。人民にとって、果たしてどちらがいいのだろうか。

私には今、プーチンという強権の政治家による政治が行われているにしろ選択肢のあるロシアと比べて、選択肢のない中国には住みたくない、そういう思いがあるので、ゴルバチョフのやったことへの評価は高いのだが、喉元すぎれば熱さを忘れる式でロシア人には、その良さが感じられなかったのだろうか。

ロシア人芸術家の、室内での会話なのにあたりをはばかるように室内を見回した動きは、政府が今、通そうとしている秘密保護法案の、その先に見えるモノに映るのだが、そうするとやっぱりゴルバチョフ、大したものだと思うのである。

WBCを見て思った事 [国際]

中国がウクライナから鉄くずとして購入したという騙すようにして得た、空母。実は出来レースだったかも知れないが、そんな事は、当事国しかわからない。

今まで空母なるものを持っていなかったのが、何故、必要になるのか。
世界に海軍力を誇示した日本が覇権を唱えるに当たって、広い太平洋に権益を持っていたこともあり、空母を持つことは、その太平洋に国土自体が面していたので、軍事としては自然と言えば、自然なことだろうと思う。

それに引き替え、中国は太平洋に関しては、日本が間に存在し、太平洋に進出する必然性はないし、南シナ海程度しか海洋権益の対象がないが、それにしたって、インドシナ半島のベトナムあるいはマレーシア、インドネシア、フィリッピンなどと分割することを思えば、空母の必要性はない。

アジアでは、最近、インド海軍が空母を所有し始めたが、インドはインド洋に面しており、その広さなど考えれば、所有に不自然さを指摘できるものではない。

そういう事を考えると、中国の軍拡の不気味さが浮き出てくるのだが、WBCの試合が日本であった時に、対中戦をたまたまテレビで見た。
野球ファンとしては日本に勝って欲しい、そういうものがあったが、中国の軍拡のことが試合中に頭をよぎった。

野球で闘っても、相手を殺せ、とかそういう感情など湧かない。しかし、これrが戦争だったら、違う感情になるのだろう。野球では、拮抗した試合ほど当事者も観戦する側もその試合に感動するのだが、戦争ともなれば、相手の健闘をたたえるという事はないのではないだろうか。

かつて、沢村栄治という大投手が戦争で亡くなってしまったが、もし、大きな戦争でも起こればそういう試合に出ていた選手の中からも犠牲者が出る。味方の選手もだが、相手の選手だっていい試合を見せてくれた選手が犠牲になるのは忍びない。

スポーツができる、あるいは見られるという幸せを我々はもう一度噛みしめないといけないのではないか、そのように中国バッシングを繰り返す私でも感じたのだが、残念ながら、国際情勢はそれからだって、あまり好転しているようには見えないのが残念。

今頃、WBCの話でもないだろうに、と思われる向きもあるかも知れないが、オリンピックの東京開催で経済が上向くとばかりに浮かれている人達を見ると、WBCを見た時の思い出がよみがえってきたので、遅ればせながらアップしてみた。

チャイナリスク続編 [国際]

あんまりこういう話を書いていると、私は中国に入れないか、あるいは入った途端に拘束される可能性がある。まさか、そう思うかも知れないが、甘い。中国とはそういう国なのだ。

かつて、私はロシアに行った時に、ロシアの秘密警察だか公安だかの連中に取り囲まれたことがある。
地下鉄の駅の改札を出たところでしばらく、人待ち顔で、ぼけっとしていたのだが、けっこう乗降客が多かったので、まさか私に目を付けている連中がいるなど知る由もない。

この時点で私はゴルゴ13にはなれないのだが、何とも言葉も通じない、知り合いもいない国にいるにしては無防備な時間を過ごしていたのだ。

その後、ゆっくり10メートルほど歩いてからいきなり走り出した途端に、少し距離を置いたとこから10人近くが私を囲むように走ってきて、あっという間に取り囲まれて、私は監視されていたことを知ったのだが、制服を着ていなければ、こっちも強盗と間違えて必死の思いで闘っていただろう。

ロシアでは行く度に街中で職質にあったり、たぶん、ロシアではこの手の顔が悪人として指名手配されてるに違いない。マフィアともやり合ったことがあるから、やっぱり悪人顔か。

で、話を戻して、その中国だが、私の従兄弟が、育てすぎた、そのようにある企業について語ったことがあった。
いまや、日本の家電にとって、韓国企業だけでなく中国企業も世界シェアでは上を行くのではないかという実力である。だが、自力でそこまで行ったのではなく、日本企業や日本人の力に負うところが大きい。

先日、NHKでも特集をしていた企業が従兄弟が育てすぎたといった企業なのだが、それは韓国企業も同じである。日本企業が大事にせずに捨てるようにした日本人技術者が大勢韓国企業の実力を支えている。

件の中国企業の場合は、日本企業が提携して育てたわけだが、日本企業としては自分たちの利益だけを考えて、そういうことをしてきている。しかし、中国という国は共産党支配の国家である。こちらが企業の論理で提携しても、共産党の都合でどうにでもなる、そういう可能性がある。

いや、共産党というよりも党と一体化した解放軍の意向というものが無視できない国とでも言った方がいいだろうか。だから、解放軍が欲しいと思った技術とか機械などはうっかり中国に持ち込んで、当局の知るところとなれば持ち出せなくなる。

今、日本はオリンピック景気を当て込んで福島原発を除いたたいていのものは7年先まではだいじょうぶだろう。だが、北京オリンピック後の中国は、景気の減速と、表に出ない不良資産の増加に悩まされている。
富裕層とか中間層とか、この20年で増加してきたその人達も今までのようにいくか分からないところにもってきて、低所得層は金もない、仕事もない、将来もない、そういう事になったらどうなるか。

当然不満の矛先は共産党に向く。政権転覆は共産党幹部の死に直結するという中国では、当然の事ながら、不満のもって行き場を外にするしかない。手っ取り早いのが日本である。

かたやオリンピック景気を当て込んで、株価が上昇していく、かたや、思うようにGDPが伸びない。あれもこれも悪いのは日本。日本の尖閣が我が領土になれば海底に眠る資源が安く入り、我々の暮らしもよくなる、そう考えれば実力行使の圧力が高まる。

そういう事になる前に、日本の経済界をもっと巻き込んで中国経済を持ち直すことができるか、という事だが、結局、反日運動など共産党主導で行ったり煽動したりした結果が、日本企業の中国離れに繋がっているのだが、そういう因果応報は小日本などと侮辱して傲った中国人には分からない。

だが、中国は一人っ子政策をとって、それが浸透してからもうかなり経つ。徹底していなかった時代は、労働力は見かけの数字よりも多かったが、今は急速な少子化の時代。日本よりも一気に労働人口が下がる国になりつつあり、こういう国を企業の成長の計算に組み込むのは馬鹿げている。

結局、中国が今後、どうなるかは中国自身がわからないし、コントロールもできない国になる事は間違いないのだ。それでも中国投資をしたいと思うだろうか。

福島原発だけがオリンピック招致のネックだと思っていた人物が多かったようだが、尖閣を巡る中国の動きも負けず劣らじのリスクだ。既に決まったので、今後は7年後まで、中国が新たな動きを見せるか見せないか。

馬鹿げた話だが、中国自身が人民への反日教育をやって、その反日教育で育った中国人の反日の運動をコントロールできなくなる時代がすぐそこまで来ている。だったら、間違いを認めて、反日教育を糾せばいいのにと思うのだが、たかが江沢民程度をまだ、排斥できないでいる。だったら、他国に迷惑掛けないで自壊しろよって、これじゃ、やっぱり中国には行かない方がいいか。

潘基文国連事務総長 [国際]

まあ、あんまり細かい事を書き連ねると角が立ってしょうがなくなるので、子供じみた事を書いてもしょうがないのだが…。

先日、潘基文が日本の指導者の、日本の過去に関する発言について注文を付けたことが報道され、それが、その後、その発言について意味するところが言葉足らずのような事で誤解を受けているとして説明をしたので、日本政府はこれ以上問題にしない、そういう話が伝わってきた。

しかし、潘基文が言ったのは、日本と限定して批判していたのであって、中国、韓国など一言も言及していない。こういうことは、しっかりと、追及指摘するべきだし、また、日本のジャーナリズムも、反応が弱すぎる。

結局、言わないのは、認めた事と同じ、そういう事で、日本が潘基文の最初に言った事を認めた、受け入れた、そういう事になってしまう。

世の中には、その任に能わず、という人物でも政治的駆け引きや妥協の産物として、とんでもない地位に就いてしまうことがある。

第二次大戦のA 級戦犯だった東條英機などもその例だが、本来、そういう地位に就くべき人物ではない、大方がそう見て、また、それがわかっていてもなってしまう事がある、その典型が潘基文だ。そしてこういう事は、社会を不幸にしてしまうことも多い。

いかにも人道派の大統領、という顔をして大統領になった盧武鉉(はっきり言って、ゲスでしかない似非人道派とすぐにメッキがはがれた)。見せかけだけでも人道派という事で、閣僚なども、人道派に恥じない人物を揃えると思うのだが。

で、潘基文は盧武鉉政権の外交通商大臣である。
では、人道派の政権らしいことをやったか?

韓国漁船が対馬近辺で密漁を行い、日本の巡視船に追いかけられると盧武鉉の意向を受けて漁船と日本の巡視船の間に軍鑑を出して対峙させた時の張本人が潘基文だ。

「いや、それは外交的に問題がありますし、日本との漁業協定を破って密漁したのは我が方の漁船であり、国際法上も問題があります」指示をした盧武鉉に、こう言って、平和的に解決するのが外交通商相の役割だと思うのだが、強硬な対応で国内から喝采を受けて喜んでいたのが潘基文。

決して、国際人ではないし、国連内部でも「こいつはなにをやっているんだ」、そういう評判ばかりが流れてくると言う噂の持ち主だが、実際、自らの体を張って問題解決に尽力した成果など聞かないし、成果が出なくともよくやっているという努力の形跡もない。

日本のジャーナリストは何も言っていないが、おかしいのである。何故ならば、日本は国連の運用に関して韓国など足元にも及ばない巨額の拠出金を出して来ているし、それは、我々国民の税金でもあるのだ。
日本人は税金の使途に関してあまりに関心がなさ過ぎるが、単に搾取されるという事以外に、人殺しや人道に反する使い方をされる事もある。

おかしい事にはおかしいと注文を付ける姿勢も大事だと思う。

日中国民の相互感情調査結果について [国際]

日中(日本側はNPO)の共同世論調査の結果がマスコミを通じて公表されたが、双方とも相手国に対して悪い感情を持つ市民の割合が90%を超すという。数字的には若干中国側の方が数字が悪い、つまり日本が国民が持つよりも悪い感情を相手方に対して持つという。

お互いに感情が悪化し、好転の兆しが全くない日中の市民感情。しかし、この内容に関しては彼我の差がある。中国は国家による情報のコントロールの結果であり、日本のそれは鏡、つまり中国の、とても国際化した国民とは思えない傍若無人ぶりに対しての反応であると見られるもので、中国のそれが変われば日本は変わる。

しかし、国際政治としてはそれでいいということではないので、アメリカなどは日本に対して中国との摩擦を起こさないように注文をつけている。しかし、アメリカの見方や考え方もおかしい。おかしければやはりおかしい、そう言うべきだろう。

対中国で言えば、立場を変えてみたとき、どうだろうか。ある日、突如、自国の領土を自国領と言い出し、隙あらばと狙い出す。挙句定常的に領海侵犯をしてくる。日本が中国に対して、これをやれば、中国はどういう反応をするのであろうか。中国国民として我慢ならない、そういうことではないだろうか。しかし、今、中国が日本に対し、やっていることは、そういう事だ。

中国自身が尖閣諸島を中国領と言った歴史が、どこをどう調べても蒋介石の言いだしたその前には出てこない。そして蒋介石自身が、尖閣諸島の領有権など眼中になく、国連の海洋資源調査の結果として出てきた尖閣諸島周辺の海底資源さえ自分たちが利用できればそれでいい、そう述懐している。

第二次大戦について、日本は確かに侵略戦争を行っている。これは旧日本軍が日本の統治とは縁もゆかりもない地域に軍を派遣していることからも明らかだ。だが、中国と言いながら漢民族の国と満あるいは回族、モンゴルさらにはチベット族の統治地域とは歴史的に異なる、その地域を中国は第二次大戦から戦後に掛けて、中国領としてしまっている。

日本を侵略国家あるいは軍国主義の国と非難していながら自分たちはどさくさ紛れに領土を拡げ、もともとそこに住んでいた人たちから搾取する国家、これが中国の今の実態であること、中国人自身が何ら意識していない、そのことが問題なのだ。

これは日本においても戦前、そのような事態が存在している。つまりそのような国家には内部から歯止めがかからず、外部と衝突等物理的な制約がかからない限り、暴走が止まることはない。中国共産党は自国というよりも党の存続。党が前衛政党として存在することを優先させる。つまり世界の中で中国がどう見られるとか、そういうことがあってはならないということよりも自分たちの都合を優先させる。

その中国共産党にとって都合のいいのが、日本バッシングであり、そこには打算以外の何物もない。こういう国と二国間の協議を行なってもなかなかいい方に前進することはない。これまでも愛国無罪などと訳のわからないスローガンでガス抜きをしてきたように内政の停滞を日本バッシングでガス抜きを行うという中国においては日本叩きは中国共産党の生命維持装置なのだから、そんなもの簡単に手放せるわけがない。

結局、中国のそういう体質を欧米先進諸国がどこまで見抜き、公正に対処対応できるかという事が、日中の相互憎悪の負の連鎖を断ち切るかあるいはそれ以上悪化させない鍵であると思われる。

しかし、フランスのように、対中国非難を先進諸国が足並みを揃えてやろうとしても自国の利益を優先させて抜け駆けするような国もあるので、これとて万能とは言えない。

だが、日本を支援しようという気にさせる政策を国際的に取る事は可能なのではないだろうか。それを自ら破滅の道をたどるような馬鹿を言う政治家が日本には多すぎるのだが、傲岸な政治家には日本が今、微妙な立場にいること忘れてもらいたくはない。

中国国民の日本に対する悪感情は中国国内問題と位置づけることはできるとしても日本が国際的に評判を落とす行為は日本の国内問題とは言えない。それこそ、中国と同じレベルになってしまう。一度、政治家も官僚も自らの依って立つ位置について、じっくりと考えてみたらどうか。

勝てば官軍 [国際]

今日、第二次大戦での広島への原爆投下犠牲者への追悼式典があった。

年々、その日の式典の模様がテレビ等で報道されて初めて、(ああ、今日がその日だったか)と思うような状況が続くようになっている。それだけ私の意識が低いのかというと、それは違う。

他に追われていることが有り、いつの間にか7月になり8月になる、そういう状況が続いているということだ。

最近は式典にアメリカの駐日大使も出席するようになったが、数年前だったか、ブログでも書いたように私は長く、無差別爆撃は国際社会で許されており、その結果として東京大空襲や広島、長崎への原爆投下があったと思っていた。

無差別爆撃が国際社会では許されておらず、それは第二次大戦においてもそうだったというのを知ったのは、確かアメリカが対イラク湾岸戦争で、中途半端な攻撃と同じく半端な終わり方をした時だったと思う。

でなければ、人権重視を標榜するアメリカが第二次大戦での東京大空襲や広島長崎への原爆投下を正当化するはずはないと思っていたからだ。

韓国のヒステリックなまでの日本叩きの手段としての従軍慰安婦問題を問題として取り上げるような人権国家のアメリカが未だに、現同盟国である日本に対して、この無差別爆撃による多大な犠牲者を出したことについて口を噤んでいる、この事、私には不思議でならないのだが、しかしこれが国際政治の現実なのだろう。

第二次大戦における米軍の対日攻撃(爆撃)を当初指揮していた司令官は、爆撃対象を軍事目標だけに限定していた。しかし、その姿勢を生ぬるいとして米軍の参謀本部はその司令官を更迭し、後任の司令官に代わってから、無差別爆撃は始まった。

前任者は米軍内で評価されず、後任の司令官は評価された。しかし、この構図、どこかにあったという気がしないだろうか。そう、旧日本軍の日本の内外を問わず、民衆に対して理解のある軍人は更迭されて、「おい、こら」精神の権化のような軍人が指揮権を握っていった、その悪しき体質を持つという旧日本軍の体質となんら変わらないもの、それをアメリカ軍も持っていた、そういうことになる。

残念ながら、旧日本軍も中国大陸で大都市への無差別爆撃を行ったとする話があり、アメリカ軍だけを責められるものではないが、勝てば官軍、アメリカのしたことは、未だにアメリカ内部でも反省はないのである。
極東軍事裁判において旧日本軍や旧日本政府の要人の訴追ばかりがされたが、多くの一般人の命を奪った米軍の担当者の訴追は行われなかった。

もっともそれをやると、原爆投下の最高責任者は当時のアメリカ大統領ということになるのだから、訴追できるはずもないのだが、その時、一番公平な態度をとったのはインドの代表であったと聞く。

果たして、日本がその時のインドの立場に立ったとき、同じような事をできるか、今の日本の政府中枢にいる人物たちを見ると疑問ではある。

中国という国 [国際]

尖閣は東シナ海というカテゴリーでベトナムやフィリッピンが中国とせめぎ合っている西沙、南沙諸島の帰属問題と似たような位置づけで見られていると思う、いや、それよりも一般国民としては、単に中国が国連の資源調査後に急に領有権を主張したのが尖閣諸島、それだけの知識、そういった方がいいだろうか。

実は尖閣諸島の帰属問題に隠れているが、中国という国がどうしょうもない国であるということを表すものが、ベトナムやフィリッピンと領有権を主張している西沙、南沙諸島に対して領有権を主張しているのと同じ考え方なのだ。

何が言いたいかというと、大陸棚や自国の領土から何カイリを自国領海あるいは排他的経済水域として主張するかという国際問題があるのだが、中国は自国の大陸棚が沖縄トラフまで続いていると主張して日本が日中の中間線で排他的経済水域の線引きを主張しているのに対して、東シナ海の大部分を自国の排他的経済水域として押さえようとしている。

そして日本が海底油田や海底天然ガス開発に手をつけない間隙をぬって、日本主張の中間線ギリギリで資源開発を実行しているのだが、これらの動きは全く、西沙、南沙でベトナム、フィリッピンを軍事的威嚇で追っ払おうとしているその構図と同じなのだ。

つまり尖閣はそういう動きの中の一つでしかないのだが、中国という国は相手の利益など全く考えず、とにかく自国の利益優先で動いている国という事、あまり日本の政党関係者や経済界は意識していないようだ。

ここでは、何度も中国の動きとして新疆ウイグル自治区や内モンゴル、チベットについても述べてきたが、中国は57(中国人から直接聞いても実際の数字はバラついている)の多民族国家として漢族以外にも多くの民族が中国国内に住んでいるのだが、その実態は漢族優遇ともとれる政策で国づくりがなされている。

かつては反乱で政情不安が国内に広がらないようにと、それぞれに金をつぎ込んで融和策を取っていたが、今は、そういう悠長なこともしないと力で押さえつけて利権を漢族だけで吸い上げるような政治を行っている。

中国という国がいやらしいのは、日本人の時間感覚では考えられない時間の単位で物事を進めるということだ。

気づいたら沖縄を取り戻せ、そういう声が中国で当たり前のようになり、そのうち、日本はかつて中国領だった、そういう声が聞こえ出すだろう。そして日本を中国領とした途端に日本には日本人よりも多くの中国人が住むようになり、中国人が日本での利権を支配するような形になる。

いや、これは絵空事ではなく、実際にそうなり得る図だが、そういう危惧が日本の政党のどこと経済人の誰が持っているのだろうか、日中中間線での中国の強引な資源開発と尖閣での領海侵犯のニュースを聞くたびに、バカな日本人の役人たちと中国人のダーティさの彼我の差に歯がゆい思いをするのだが…。

中国で失政により、国が四分五裂する日と私の危惧のどちらが先に来るかわからないが、中国人の民意が欧米先進国並みにならないうちは、アジアに本当の平和は来ないのではないだろうか。

日本の対外政策 [国際]

中国の公船が尖閣周辺で領海侵犯するたびにNHKが定時放送でこれを流し、そのニュースを見るたびに母親が「まるで蝿のよう」そう呟く。

追っ払っても追っ払っても蝿のようにすぐ舞い戻って、うるさいことこの上なし、そういう事だろうか。

尖閣に関してはとうとう領土問題が日本と中国の間にあるかのように、日本人にさえ、そう言わしめるしつこさだ。

台湾との間でさえ、尖閣が台湾領だったという話はなく、いわゆる有史以来尖閣は琉球に属していた、この事は疑いようのない話なのだが、どうしてこういうことになるのだろうかと思う。

台湾と琉球では確かに琉球は島々が点々とする状況ではあっても、いわゆる野蛮な島として、台湾自体が多数の土着民により営まれていた島であるのとは対称的に琉球はしっかりと王朝として統制された国家であったことを考えれば、何故、台湾が尖閣の領有権でどさくさ紛れに主張してくるのだろうか、と台湾の姿勢にも疑問を感じざるを得ない。

では、琉球が沖縄として日本の施政権下に入る前に、中国の領土あるいは施政権下にあった事があったかといえば、はっきり言って”ない”。

何故ならば、東夷・南蛮・西戎・北狄で示されるように漢民族の中国国家周辺には中国に属さない民族の国家あるいは地域が存在していたのであり、いわゆる中国自体は残存している万里の長城からもうかがい知れるように、それほど広大領土を持った国家ではない。そのことからしても、中国の施政権が琉球に及んだ事実などない。

であるのに、中国国内では琉球が中国の一部だったなどという話で日本から取り戻せなどという話がある。さすがに、こんなバカな話、そう思うだろうが、こういう話を中国国内では消えてはまた現れ、の繰り返しで、いつの間にか、当たり前の話になる。そしてそういう話に共産党がしっかり絡んでいる。

日本の場合、海があって、直接、領土的に中国と接していないから、日本人にはあまりわからないようだが、チベット、内モンゴル、満州、ウィグル自治区など結局、中国領とされてしまった。

アメリカは中国との摩擦をこれ以上ひどくしないように、そういうメッセージを日本に送っている、との事だが、これまでの中国を見れば、そんな事、意味がないことはわかる。

結局、国際政治といっても力が勝つのであり、正義とか平和的にという言葉が虚しいのは第二次大戦後でも数々の無理が通ってきたことでもわかる。

驕るとつい、力に頼る事が出てくるが、今の中国がそうだろう。だから周辺国とは力の象徴である軍事力を背景に二国間で無理を通して領土領海を広げようとしている。

中国周辺国にとっては同じような状況下にある日本の姿勢は勇気付けもするし失望もさせるだろう。中国、韓国は何かといえば、日本の戦前戦中のことを持ち出して自国に有利な状況を作ろうとしているようだが、中国周辺国にとって、そんな話よりも中国の脅威の方が優先する課題である。

そういうことを踏まえて、日本は対外政策の舵取りをしなければならない。
だが、現役の政治家に外交が分かっているのだろうかということと、特権が与えられたかのごとくで、緊張感のない仕事ぶりを続けてきた官僚依存で日本の将来の舵取りがされては、とんでもない、そういう気がするのだ。

中国、尖閣に軍用機のパトロール [国際]

中国が公式に尖閣への軍用機巡回を表明。

中国の軍用機が尖閣近くの日本の領空識別圏に入り、それに対して自衛隊機がスクランブル発進して備えた行動を、中国側が日本の挑発として武力行使は望むところだという態度を見せている。

さて、このようなどんどんエスカレートしてくる中国を見ても経団連のたぬき以下は中国との経済交流を維持発展させろと、言い続けるのか、しっかりと意見を聞かせて欲しいものである。

欧米の政権中枢からは日本に摩擦を大きくしないように反応を控えめにしろと注文が出ている。しかし、この件は、野田佳彦の政治センスの無さがあったとしても自民党政権あるいは自公政権下でも中国共産党政権の意向を受けた香港や台湾の活動家が領海侵犯を続けていた。

いずれ、大きな問題になることが単に先送りにされていただけで、国として本腰を入れて対応すべきものを怠っていた、そういう事だ。
だからおかしな話には徹底して闘う姿勢を見せることが肝要だ。

GDPが世界第二位になったことで驕りを隠そうともしなくなった中国。それこそ中華思想に則って覇権主義を前面に出して領海領土拡張戦略をとる中国を相手に、日本が譲歩できるものは一つもない。

今、国難に近い状況に日本が陥りつつある中で、まだ自分たちの懐への利益誘導を図る官僚たちや目先の利益優先で中国との経済一辺倒の話しか出ない硬直した財界の連中。

中国バッシングなど簡単ではないか。

経済力を背景に軍事力整備を行っているのだから、経済力を落とす方に日本が動いていけばいい。戦略的互恵などと中身のない話をしても意味がない。

こちらを食べようと狙っているワニに仲良くしようとわざわざ相手が潜って狙っている水辺に行って手を差し伸べるのは馬鹿としか言いようがない。その馬鹿が経団連を始めとする財界の幹部たちだ。

共産党にも中国人にも穏健派や国際派の人間はいるだろう。だから戦略的互恵関係をと意味のないことを言うのは馬鹿げすぎているのだが、日本だって右から左まで色々な考え方の人間がいても、中国にはレアアースがあるからとか中国には資源があるからとか、いきなり中国の特定地域を自国領として言い出したり、領海領空侵犯などということをやれと言う国民は出てきていない。

だが、中国は自分たちから仕掛けておきながら、日本が挑発してきている、武力行使はお手の物だと軍事的圧力を掛ける事やそういうアナウンスを政府として公表している。

心ある人間ならば、こんな事言えないしやってられないよ、そう言って外務省を辞めたり、アナウンスの担当を外れたりすると思うのだが一番外部と接触していたりあるいはジャーナリストと接触している人物にして強硬な意見を吐いている現状は何だろうかと思う。

こんな国を相手に利することをやろうという人間の気が知れないのだが、中国のGDPが世界第二位になったという時期から中国の覇権主義、拡張主義や軍事的圧力は一層甚だしくなったのではないだろうか。

実るほど頭を垂れる稲穂かな

力を持てば持つほど謙虚にならなければ国際社会での鼻つまみものにしかならない。

だが、中国は台湾を国際社会から追い落としたと同じ方法で尖閣などを自国領土としようとしている。尖閣だけでなく、いずれ沖縄も中国領だと言い出すだろう。そしてそのやり方は中国と日本とどちらを選択したほうが自分たちの利益にかなうか、そういう選択肢をアメリカに突きつける形で行う。

まさか現時点でアメリカが日本を見捨て中国を選ぶ、そういうことにはならないと思うが、しかしGDPが世界一になった中国を相手に、それでも日本を選ぶかは保証の限りではないはずだ。つまりGDPで世界一になることがないように中国をしないと、それこそ言葉は悪いが、キチガイに刃物なのだ。

現時点だって、諍いよりは協力して経済を上向かせよう、そのように日本が手を差し伸べても、中華思想を手放さない限り、その腕を引っ張って食いつくだけの国家でしかない、それが中国なのだ。

日本が自国の経済を犠牲にしてでも中国経済に深刻な打撃を与える、そのくらいのことをしないと中国が真剣に他国への尊重という考え方は持たない。不況になったとき、大きな国ほどその打撃は大きい。

経団連はすぐにも手を打つべきだと思う。仲良くとか、うまくとか言う奴は中国を知らない。いや中国人自身が自国を分かっていないし、制御できないのだから無責任に仲良くなどという話はするべきではない。

私は資産というほどのものを持っていないが中国に関与している企業、銀行からはたとえ少額でも資金を引き揚げる。友人の中にも投資を考えていた人物は、止めた。

自分のことではなく、自国民ひいては中国が圧力をかけている他の東南アジア諸国民のためでもある。本当に戦争が嫌いとか嫌だというなら中国の経済力向上につながる事はやめるべきだ。

だいたい、何で今、この地域で空母が必要なのか。それを持ってもなお、経済優先でやろうという人間が日本側でかなりの数に上るのが私には信じられないのだが、周囲の年寄り連中も戦争になると、心配している。

私も思うのだが、第二次大戦に突き進んだ日本と同じ状況が今、中国に生まれつつある。
統計があれこれあって、具体的数字で提示できないのが残念だが、長く、内需振興を先進諸国から要求されていた日本よりもさらに数倍の外需依存しているのが中国。

国内で抱える格差問題や景気の落ち込みをカバーしようと思ったら、資源を求めて外国に出るか侵略するのが手っ取り早い。戦前の日本がそれを満州国などに求めたが、今は中国が南沙、西沙、そして東シナ海で行っている。

しかも空母まで持てば、新しいおもちゃを手に入れたガキと同じでどうしたって使いたくなる。これまで必死に軍の近代化を図ってきたのだから、その成果を試したいというのが人情だろう。戦争をやれば一線の兵士に死傷者が出る事など人命の軽い中国では一顧だにされない。

一部の人間の懐を肥やすために戦争に巻き込まれるのはゴメンだし、家族を持つ人もそういう思いは強いだろうと思う。直接的に武力衝突をしない手は相手の経済力を弱めるに限るのだ。米倉のようなタヌキにはそういう事、頭が回らないだろうが、誰か財界を潰してくれないかね。第二次大戦も彼らの欲が絡んでいたっけね。

中華思想 [国際]

ヴェニスの商人というタイトルで、TPP関連も併せて、ユダヤ人について触れたが、似たような感覚のものに中華思想を持つ中国人という民族がある。

どうだろうか、日本が中国海南島周辺、それも中国が領海と称している海域に巡視船を派遣して、海南島は我が国固有の領土であると、主張したとしたら。

確かに海南島は人が住む大きな島である。それも中国人が住んで、経済活動他、色々中国人が人間としての営みをしている島である。

一方、中国公船が領海侵犯している尖閣諸島には、日本人は住んでいない。だが、今は、人が住んでいないというだけであり、以前は鰹の加工工場があったり経済活動もあったし、人も住んでいた。たまたま島自体での経済活動がペイしなくなったというだけで、島自体がいらなくなったというわけではなく、現実に、周辺海域ではずっと沖縄住民が漁業を行ってきている。

つまり両者の差は住民がいるかいないかの差だけであり、尖閣が日本固有の領土という事実を覆すものは、年代を遡っても出てこない。僅かに台湾漁民が尖閣周辺で漁をしていたと主張するものが出てくるが、西郷従道の台湾出兵の話でもわかるように、尖閣周辺海域もずっと沖縄漁民の漁場として存在していた。

であるのに、国連の海底資源調査で東シナ海に石油資源が眠っているという報告が出た途端に尖閣諸島が自国領土だと主張する中国人という民族、日本人的に言えば厚顔無恥、その形容がぴったりだが、それが通用すると思っているところが恐ろしい。

世界を見渡すとそういう考えの民族、国家のいかに多いことか。

日本は欧米に追いつき追い越せと欧米ばかり見ていたから近代民主主義国家では許されない事を意識する国民になったと思うのだが、世界にはユダヤの選民思想などを含めて自国あるいは自分たちの民族だけの優位性を主張する国家、民族がけっこうある。

さすがに欧米では国際協調から外れるような話は出にくいが、それでも民族主義が時として台頭する。だが、それであってもそれはせいぜいが、自国から他国民あるいは多民族を排斥するというナショナリズム程度であって、領土領海を広げていこうという覇権主義までは行っていない。

イスラエルにしてもその存立を脅かす周囲に対して、存立するための武力行使だったり攻撃だったりしているのであって、領土領海を広げるという覇権主義をおおっぴらに実行している国は世界中で中国だけである。

このことを日本はもっと、世界にアピールするとともに、必要以上に中国との交易を広げることを避けるべきである。

政経冷熱と言ったって、いつ豹変するかわからない、それも根底に反日というものを抱えている国家相手に軍事力向上につながるものを相手に与えすぎるお人好し加減。いや、日本国民全般がそれで良しと思っていないことは先ごろのアンケートなるもので中国人に対する好感度が20%未満という数字で現れている。

つまり中国と仲良くとか、日中交易が大事、そう言っているのは経団連のたぬきを始めとする目先の利益に目のない連中などごく一部に過ぎない。

尖閣の問題など国際世論などあてにならない、そういうものをベースに日本の戦略を決めて国際世論への働きかけをしていかないと、台湾の二の舞になる。かつて中国は国民党政府の逃げ込んだ、台湾が代表だったが、中国の働きかけで、今や台湾と国交を持つ国はほとんどなくなってしまった。

同じようなやり方でアジア、アフリカ諸国に中国が当事者になる問題で圧力(支持を求める)をかけていくといのが中国のやり方なのだが、経済力がついて自信を持った漢民族の中国。他国、多民族のことを気にかける意識はこれっぽっちもなく、ただひたすら漢民族が世界の中心に位置する世界の実現を求めているだけなのだ。

どこにでも少数派の人間はいる。そして、中華思想を毛嫌いする中国人もいる。そういう稀有の人物を見ただけで、中華思想を否定する平和ボケの日本人もいるのだが、中国ではいまだに反日教育が行われている。その反日教育の弊害だけでも、相当なものだが、反フィリッピン教育が行われているわけでも反ベトナム教育が行われているわけでもないのに、西沙、南沙諸島を自国領だと主張している。

つまり根底に中華思想が存在する国が中国なのであって、中国を上にいただく国として日本が存在するなら彼らは満足という図式なのだが、これって封建時代の考え方そのものなのだ。つまり人民が成長していない、そういう国家が中国であることを意識していないと、周辺諸国は単に中国の衛生国家にされるだけなのだ。

経済力をつけた中国が尖閣で対峙しているのは、日本だけではなく、アメリカとも対峙している、その戦略を日本自身が見間違えると、本当に将来にわたって、禍根を残すことになる。中国は2030年代には世界一の経済大国として世界に覇を唱えようとしている、そのことを忘れてはならないと思うのだが、どうにもおバカな日本人が経団連など財界や官僚に揃っているので、こういうもの、なんとかならないか、そう思っている。

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