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パワーゲーム [国際]

ロシアの大統領にプーチンが返り咲いて、また強いロシアの復活を目指すという。
強いロシアとは何か、と思うのだが、台頭してきた経済力を背景に軍事力の増強を図る中国といい、政治とは何か、そう考えさせるものがある。

国際政治の中で、旧東側に属する中国、ロシアはもともと、封建社会の中で虐げられた人達が権力を握っていた一握りの勢力に対抗して人民の力を結集して政権を握ったのではないだろうか。そういう国であるからこそ、権益よりも人民の幸せや権利を優先すべき政策を行うべきはずなのだ。

しかるに、旧共産圏の勢力を拡大しようと動いていた国が、実は自国の権益の拡大だけを優先して国際社会の中で動いている実態は、何だろうかと思わせるものがある。

北朝鮮が国際社会の中で嫌われ者なのは皆さん御存知の通りだが、北朝鮮が瀬戸際外交で、他国から援助を引き出したり、国が崩壊に繋がらない理由は実は中ロ二カ国のサポートがあるからであり、このサポートの意味は単に、中ロが北朝鮮の存在自体が自国に有利であるというだけであり、北朝鮮の人民にとってそれがいいということではない。

そして今はシリアだが、イラクの時もそうだし、中東やアフリカで圧政を敷いている国家に対して、国際社会として共同して事に当たる、つまり人命が尊いものだとして、虐殺やジェノサイトのような事を国家が行う事を止めるように動くべきものをそういう国家に持っている利権を優先して、その利権を守る事にしか動かないというものが、この二カ国にはあったし、今もその姿勢を変えていない。

いや、人権のことをやかましく言っているアメリカにしたって、自国権益には敏感だし、中東への干渉行動だって中東の産油国に持つ利権の保護あるいは拡大も目論んでいるという裏の話だって時として出てくる。

まあ、それを言い出したら、日本だって、ミャンマーの非民主的軍事政権に対して、明確なシグナルを送るどころか、駐在大使などは軍事政権はよくやっているなどと馬鹿な事を言うくらいだから、どこも似たり寄ったりのようなものかも知れない。

そうすると、国際社会としては力を持っていない国は被抑圧側に回らざるを得ないので、そういう社会が人類が目指す社会なのかという事だが、そうではないだろうと思う。

であるなら、日本が国として国際社会に対し、一定の影響力を持つ間に、パワーゲームの馬鹿さ加減を明白にしていくべきではないのだろうか。

戦後日本は、再軍備を恐れるアメリカの意向もあり、軍事予算がない分、国家予算の負担が軽かったために科学等産業の基礎になるものへの予算を大きく取れた。その結果が、GDPが世界の2番目まで来るほどの成長という事になったわけであり、当時、やっかむ国もあったが、一つの成長モデルとして参考にする国もあった。

その中の一つがシンガポールなどだが、今の日本はその当時の事を全く忘れており、また官僚も国家という観念ではなく特定組織など一部の利益を図ることにしか頭がいっていない。つまり国を滅ぼすような人間の集団と化しているだけで、全く役に立っていないのが実情だが、中国というおかしな国家が、そして何かというと大国意識をかざすような国のロシアがそばにあることを理解していないといけない。

明治維新後の日本のような上げ潮の国家ならまだしも既に人口も成長も横ばい以上にはならないような国であれば、もう国際社会がパワーゲームであるとか、あるいは過度な競争社会であるとかいう事を抑制、つまり国際協調を率先していく国家になっていかないと、日本国民の安全安心も国際社会の平和も守っていけないのではないだろうかと思うのだが、意外と世界の首脳というのも狭量でレベルが低いのではないだろうかと、彼らの言動からそう見えてしまうのだが、政治の世界は何ともつまらない世界というのが情けない。
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